お遍路を知る - know

巡拝の趣旨

巡拝の趣旨

団体巡拝でも・・・自分一人で巡っているのと同じことになります。

巡拝は「同行二人」といいまして、本来、八十八ヶ所霊場ではお大師さま、三十三観音霊場ではお観音さまと自分と二人で行うものであります。団体巡拝では果たしてその成果が約束されるだろうかと懸念される人もありますが、団体巡拝であっても、その参加の目的、動機は各人各様でそれぞれ異なりますので、結局は自分一人で巡っているのと同じことになります。しかも、多くの同行と同一の行動をとらねばならないという制約が、一人一人に課されるわけでありますから、集団のようであっても、つまるところ、より強い自覚に立った自分一人の修行ということになるわけですので団体巡拝でも十分目的が達せられます。


巡拝の趣旨イメージ

『利他』のこころをもつことが、自己の人間形成に大きく役立つ・・・。

巡拝は、日常生活から一歩踏み出すというところに大きな意味があり、みずから参加実践することが、そのまま「こころ」の転換を可能にするわけであります。巡拝に出て、見たり、聞いたり、考えたりするさまざまな行動の中で、祈りを主軸にした「こころ」の在り方がその人の中に定着してきますと、それは信心として不動のものとなり、さらには他者への誘いとなってあらわれるものであり、これは「利他」の行といえるものです。この「利他」のこころをもつことが、自己の人格形成に大きく役立つとは、仏教の基本的な考えであります。

最初は心構えも何もわからなくてよいのです。

自宅を出てから家に帰るまでの巡拝全行程は、日常のそれとはまったく異なるものです。それだけに、これを達成し得たときの喜びもまた格別なものがあります。しかも、その悦びは、他に伝えることによって倍加いたします。それに、霊場をいくつか巡っているうちに、おのずからこころに落ちつきができてきます。そしてご本尊、聖地に対し、すなおに合唱できるようになると、そこから先は仏さまが自然に導いてくださるのです。これが「同行二人」といわれる境地でありましょう。ですから最初は心構えも何もわからなくてよいのです。もし、積極的に仏教を求めようとするならば、「行」をえらんでいただきたいと思います。

物の豊かさという幸せのほかに『こころ』の豊かさを得られる。

そして自己の修行体験を通して身体ごと仏様に触れていただくならば、仏教への志向は確固たるものになりますし、物の豊かさという幸せのほかに「こころ」の豊かさを得られることは、活動的な現代人に最もふさわしい道であると確信いたしております。